子育て関連

小谷 信行

小谷 信行こだに のぶゆき|子育て関連

ドクターとゆっくり話そう育児健康塾

松山赤十字病院副院長 小谷信行先生の優しく・楽しく・わかりやすい講義を中心にトークを交えたホットなひと時を一緒に過ごしませんか?
ドコママが毎月取材をさせていただいている松山市子育て支援課主催の育児健康塾をご紹介いたします。

経歴
1949年 鳥取県出身
1975年 岡山大学医学部卒業
1990年 岡山大学小児科講師
1991年 松山赤十字病院小児科 第一部長
2011年 松山赤十字病院 副院長

日本アレルギー学会専門医
日本小児科学会専門医 医学博士
岡山大学医学部医学科臨床教授
愛媛大学医学部臨床教授
愛媛県教育委員会家庭教育推進協議会委員
成育医療センターでの活動
専門/免疫アレルギー、育児学、心身症
松山赤十字病院小児科で、小児科医13名、
カウンセラー5名と共に喘息、アトピー性皮膚炎、心身症、拒食症、被虐待などの子どもたちの治療やサポートに取リ組んでいる。

この達人に相談する

2010.07.05

幼稚園・保育園・学校と上手くやっていく方法 参加者からのQ&A

10/03/02育児健康塾QA

 

Q1/4月から保育園に入園ですが、私の仕事の休みと合いません。仕事時間も長いためなかなか一緒の時間を取れそうにありません。私の休みに子どもを休ませてもいいでしょうか?13ヶ月)

A/たまにならそれもいいでしょう。子どもの生活リズムが崩れないように、休ませても食事時間やお昼寝などは保育園の時間に準じて過ごしてやると、翌日に引きずらなくてすみます。

ちなみに親御さんがわざわざ疲れをおして、必ず子どもの相手をしてやらなければと負担に思う必要はありません。子どもと離れている時間が長いからと言って、それが原因で問題が起こる事はないのです。子どもは地域で育てるものですから、いろいろな人の力を借りて一緒に子育てしていきましょう。

 

Q2/性格がシャイで知らない子がいると固まってしまったり、引いてしまいます。こんな子は少人数の園がいいのか、逆に大人数の園がいいのか、幼稚園保育園探しに迷っています。

A/どちらでもいいと思います。こういう性格の子は、馴染むまで時間がかかりますが、一度親しくなると深い関係を築けるので友達関係が長持ちします。いろいろな人と出会う場をたくさん与えて、やりとりするようにすればいいと思います。12ヶ月で慣れていくことでしょう。たくさんの友達がいる事もいいのですが、少数でも気の会う友達がいることが大事だと思います。

 

Q3/保育園に2年通いましたが、今年から幼稚園に入れることにしました。子どもは友達と一緒今の保育園に行きたいようですが、地元の友達を作るのに幼稚園のほうがいいのではと決めました。食事に時間がかかり、幼稚園に慣れるか心配です。(4歳)

A/1~2ヶ月程度で慣れると思います。基本的に保育園は生活の場、幼稚園は学習の場という意味合いが多いようです。両方の違いを体験できるのはいいことだと思います。どちらもずっと行き続けるわけではないし、友達の事をいつまでも引きずらず、いろいろな人とのかかわりを積極的にさせましょう。自己主張、自己決定ができるように自分の思いをうまく出せるようになるためのトレーニングです。親御さんは幼稚園を選ぶのに悩まれるかもしれませんが、最終到達点は同じなので、親が常識で考えてよいと思えるところを選びましょう。早期教育も結構ですが、早くできるか後からできるかの違いです。自分の子どもに合った園は、親が一番よくわかるはずです。

 

Q4/保育園に入って3ヶ月ほどですが、寝ている赤ちゃんの足を3回もんでしまい、保育園から相手の保護者に謝罪を入れるように連絡を受けました。保育中に起きたことなのに、直接謝罪を入れなければいけないとは気が重いです。認可保育園に入れたことで安心しすぎたのかなと思います。(1歳3ヶ月/男児)

A/1歳3ヶ月と言うことで、まだ言葉でのコミュニケーションが充分できない年頃です。この子にとって噛むことがコミュニケーションの1つなので、だれが悪いわけでもないのです。一般的に1~2歳くらいまでの幼児は噛む子が多いですよ。相手の親御さんに一言謝罪をすることで保護者同士の関係が円滑に行くように園側が配慮したのかもしれませんね。いろいろなことを含めて保育園の先生としっかり話し合ったらよいでしょう。

 

Q5/4月からパートで働きに出ます。そのため保育園に入園予定です。親戚に3歳まで家で面倒を見たほうがいい、かわいそうと言われ迷っています。(2歳)

A/そんな事はないです。かわいそうな事はありません。母子分離不安で親も子もゆれてしまうのですね。最初は泣くと思いますが、一緒のときにコミュニケーションをしっかりとっていれば心配ありません。別に鬼がいるところに通うわけではないのですから()

かつて3歳児神話といって、子どもが3歳になるまでは家庭で母親が面倒を見ないと、愛情不足になるといわれた頃があったのです。しかし、何の根拠もないことです。早くから社会性を育てるためにどんどんいろいろな人とのかかわりを持たせましょう。

 

Q6/風邪を引きやすく、気管支が弱いです。保育園に行き始めるといろいろな病気を貰って熱を出したりするのではないかと心配しています。入園までにどんなことをしたら予防になりますか?(3歳/女児)

A/集団生活に入れれば、当然家庭にいたときよりは病気になりやすいです。色んな雑菌を持った子どもたちがたくさんいるのですし、接触時間も長くなりますからね。入園前までに、ワクチン接種を完璧にしておく事をおすすめします。母子手帳に書かれてある基本的なワクチンもですが、風邪を引きやすいお子さんは肺炎球菌ワクチンやHibワクチンなどを打っておくと、罹患率が激減します。そのときそのときの対症療法に過ぎないので薬を飲んでも予防にはなりません。後は体を鍛えることですね。

 

Q7/4年保育の早期教育の幼稚園を考えていましたが、妊娠したので3年保育に変えました。

A/親子が気に入った幼稚園を選んだらよいと思います。早くからいろいろなことを教えてくれるとか、学習スキルが上がるという園も悪くはないのですが、何より多くの人とのかかわりを持ってコミュニケーションのスキルをあげておくことが大切なのです。下の子が生まれたら、赤ちゃん返りをする事も考えられるので、のびのびしている園を選んでもいいと思います。

 

Q8/家をそっと抜け出し、自分でカギをあけて車の中で遊んでいたことがありびっくりしました。負けず嫌いで、年齢が大きい子にもしっかりついていきます。保育園でのトイレトレーニング中に自分が失敗したことで「先生が耳を引っ張った」と何度も言います。(2歳10ヶ月/男児)

A/園の様子が気になるのなら、先生に聞いてみたらいいと思います。おそらく負けず嫌いと言うことですから、自分が失敗した事を先生のせいにしたかったのかも知れませんね。すごく賢い子です。自我が育っていてたくましいし、頼もしいと思います。プライドが高いようですから、叱ることなくこのまま様子を見ていていいと思います。乗り越えたときには自信につながります。

 

Q9/女の子同士のグループで仲間はずれになり悩んでいます。状況をいろいろと話してくれるのですが、このまま様子を見て担任の先生にお任せしていていいものでしょうか。(小学4年生/女子)

A/子どもたちは大人が思うよりかなりめんどくさいつきあいかたをしています。べたべたしたがる年頃は、相手にやたらと気を遣いあっています。当然仲間はずれだのなんだのという問題も起こりがちです。しかし子供同士のその付き合いがソーシャルスキルトレーニングの最中なんだと捉えてください。大人が介入する事はたやすいのですが、そのことで孤立し、解決が長引く事もあります。精神的にきつくなりパニックや不登校などの問題も起きてくると、専門のカウンセラーや医療機関に相談したほうが良い事もあるでしょう。娘さんがお母さんにいろいろなことを話してくれるのはいいことです。親が先回りして学校生活に入り過ぎないように様子を見るようにしましょう。

Q10/広告、新聞、ティッシュ、絵本など紙類を食べるクセがあります。体に影響がありそうでやめさせたいのですが(12ヶ月/男児)

A/遊びの一種だと思います。そのうち飽きてくるのでそんなに心配しなくて大丈夫と思います。いろいろな食べ物を食べさせて、様々な味を覚えさせるようにすると、きちんと食べ物に興味がむいてくると思います。

 

Q11/歯が生え始めたのですが、授乳後に歯を拭いて清潔にしたほうがいいと言われたものの、寝てしまうことが多くなかなか実行できません。(7ヶ月)

A/同じくらいの子どもさんでそこまでしている人は殆どいないと思います。赤ちゃんは口の周りや中は敏感なので、嫌がることが多いと思います。唾液がちゃんと出ていたら口腔内は洗浄されるのでそんなに神経質になる事はないでしょう。

 

Q12/離乳食も3回食に進みました。しかし時間がかかり、途中でご飯を出してしまうことがあります。(9ヶ月)

A/230分で切り上げてしまいましょう。だらだらといつまでも食べさせるのはやめます。食べ始めと終わりはきっちりして食事時間にメリハリをつけるよう心がけましょう。口から出すのはどんな子供でも必ずあります。同じものを2回口から出したら、それにこだわらず、他のものを食べさせるようにするなど工夫して様子を見ましょう。今はだめでも成長したら食べられるようになる事もあります。

 

Q13/4月に入園予定ですが、水いぼが気になっています。広がってはいないのですが、つぶして治療したほうがいいのでしょうか?36ヶ月/男児)

A/以前はピンセットで1つずつつぶして治療するのが普通でしたが、最近の流れではつぶさないで自然に治るのを待つことが多いようです。23年で抗体ができると出なくなります。水泳を一緒にするくらいでは感染する事はまれです。

 

Q14/朝は8時に必ず起きるのですが、寝る時間がバラバラで、かなり遅い時もあります。(9ヶ月/女児)

A/起床時間が一定ならば、体内時計がリセットされるので大丈夫です。でも寝る時間も大体決まっているほうが本人も親も楽ですよね。睡眠儀礼と言って、寝るまでの流れを決めてしまいましょう。例えばお風呂に入って、歯みがきをして、絵本を読んだら寝ましょうというふうに、毎日決まった流れを作るのです。そうすると子どもは歯みがきしたら布団にはいるんだなと自然と習慣づいてきて、脳も寝る準備をし始めます。睡眠をしっかりとることで心の安定も促されますので、寝る前に興奮させないように心がけるようにしましょう。

 

Q15/子どもは担任の先生のことが嫌いで、「○○先生、イジワルばかりいう」とか「おばかさんていわれるから嫌い」など毎日のように話すので心配しています。確かに当該の先生は竹を割ったようなあっさりした性格できついと感じる事もあります。子どもに先生の事をこれ以上嫌いにならないように先生のよいところも話していますが、正直なところかなり参っているようなので来年度は担任が変わってくれたらいいなとひそかに思っています。(年少/女児)

A/人と人とのコミュニケーションを学ぶことができるのが集団生活の場です。子どもは自分の感じるままに相手の事を正しく評価しているのだと思います。相性が合う、合わないというのは、子どもだってあります。この子のように、嫌いだとはっきり言える事はとても良いことなのです。気の合う人ばかりの中で育つと、逆に何でも相手の言うことを聞きすぎて、自己主張することをしなくなります。そのまま成長していくと思春期頃に爆発したり、苦手な人とのコミュニケーションの仕方が分からなくてつまずくこともあるかもしれません。相性が合わない人に出会えた今は、この子にとってのソーシャルスキルトレーニングのチャンスです。親は子どもの気持ちを受け取るようにしてサポートしてやりましょう。嫌いな人を無理に好きになるように努力させる事はないと思います。やがて苦手な人には自分でどう対応したらよいのか考えるようになります。

 

Q16/教師をしている友人に聞いたのですが、一部の保護者の中には子供同士のトラブルの時に相手の家に謝罪をしてほしいといわれるようで、今どきは子供同士のことなのにお互い様と言う気持ちが少ないのだなあと思いました。

A/小中学校では少なくない話ですね。確かにお互い様と言う事もありますが、謝っておくことでその後のコミュニケーションに支障が出ないようにする技術の一つだと思います。悪くもないのに謝るのはどうかと言う話になれば、白黒はっきりと原因が何かをさせてからになりますが、日本は古来から形式儀礼の民族ですから、形を大事にするという意識が残っているのでしょうね。

 

Q17/発達障害と診断され、施設に療育に通っています。しかしなかなか気持ちの整理ができないでいます。親がこんな気持ちではダメでしょうか?38ヶ月/男児)

A/何でもそうですが、頭でっかちではダメなんです。いろいろと情報が多い中で、うちの子発達障害かしれないと心配して相談にこられる方は少なくありません。しかし、発達のスピードはそれぞれの子どもによって違いがあります。今の状態だけを見て区別化しないで下さい。

一番大切な事は、本人の自尊心をどれだけ育てられるかなのです。そのために自分の思いを伝える技術を育ててやることが大切になります。診断されたからと言ってすべての能力が低いわけではなく、得意な分野が必ずあるはずです。道は遠いですが、これからまだまだできる事はありますよ。

 

Q18/学校に行きたくないということがあり、そんな時には休ませたほうがいいですか?

A/低学年~中学年くらいまでは、休ませないようにとにかく行かせましょう。一度休みだすと本格的に不登校になってしまいます。

高学年以上になると今度は無理して登校させると自尊心が崩れるので、本人の気持ちが納得いくまで待ってやることが大事になってきます。

ひどくなると、チックや、腹痛などからだの症状が出てくることがあります。大体はちょっとしたことが原因のようです。心配でしたら専門医やカウンセラーに受診されてもいいと思います。

 

Q19/不登校です。待つのが大事といわれていますが、何かきっかけを作ってやることができればと悩んでいます。(中1/男子)

A/学校に行けないのは感受性が鋭くて混乱しているのだと思います。何が好きで、何が嫌いかがぼんやりしていて、自我がはっきりせず薄くなっている状態とでもいいますか。学校生活にワクワク感がないのです。学校に泣きたいくらい行きたくなったら登校させてもいいですが、それまでは違う場所で自己評価を正しくするためのトレーニングをさせるといいですね。今はフリースクールなど支援してくれる場がありますから、そこで

①自尊感情を保つ②自分のやりたい事を表現できる力を育てる...この2つをゆっくり育てていきましょう。どれだけ時間がかかるかは分からないですが、その後立派な社会人になっている人はたくさんいますから、どうぞあまり心配しすぎないで下さい。

 

Q20/テレビなどでスーパー園児などを見ていると早期教育はいいなと思います。これから幼稚園を選ぶにあたって、どんな基準で探したらいいかアドバイスを下さい。

A/早期教育の園でも自由保育の園でも、最終的な結果は同じです。早期教育を始めて高度な教育をその後も続けていく事は刺激があってよいかもしれませんが、息切れして途中でドロップアウトする子も多いのです。早く走っても遅く走ってもゴールは一緒です。親は子どもが優秀だったら自慢ですが、ほどほどにしないとどこかでしわ寄せが来ます。

集団生活自体は早いほうがいいと思います。幼稚園でも、保育園でも、子供同士の関わりはどんどん持ちましょう。

 

Q21/4月に入学ですが、1年生は下校時に最寄場所まで迎えに出なければならないようです。しかし、フルタイムで働いているので、下校先を祖父母の家にしたいのですが、先生にはどの段階で伝えたらいいでしょうか?

A/フレキシブルに伝えればいいのでは?入学式の時でも、入学前でもいいと思いますよ。子どもは地域で育てるものですから、お母さんが何もかも背負う事はないのです。子どものために一番良い方法を考えましょう。

 

Q22/ハイハイをするようになり、手当たり次第に何でも口に入れるようになりました。万が一窒息しかけたらどのように対処したらいいでしょうか?

A/まずは、窒息するような原因を作らないように予防をしましょう。2歳くらいまでは、子どもの手の届かない1m以上の高いところに危ないと思うものを置くよう心がけましょう。

グミキャンディ・ゴム風船・ビニール袋・タバコ・ピーナツ・くすり・コイン・針などは特に気をつけたいものです。万が一の対処ですがさまざまな方法はあるものの、知っていても実際には慌ててしまい何もできないことが多いものです。消防署などで講習を開いていることがありますので、そういうものを受講しておくととっさのときに役立つと思います。対処法を経験しているか否かで助かる命もあるのです。